暁星小学校は、フランス系キリスト教の歴史ある私立男子校です。人気、知名度があり、入試の難易度が高いことから、難関校のひとつとしても知られています。そんな暁星小学校の特色や雰囲気、評判、受験の難易度などをご紹介していきます。
暁星小学校の風土・特徴は?
暁星小学校はどのような学校なのでしょうか。教育理念や授業内容などの特徴を解説します。
暁星小学校の教育理念・教育方針
暁星小学校は、キリスト教の精神に基づき、個性や能力を伸ばして「自分を大切にする」、さまざまな考え方や個性・能力をもった人たちと学び合い、支え合い、育ち合う「他者を尊重する」、「神を愛する」という3つの柱を教育理念として掲げています。これらにより、十全な人格の形成、社会の福祉に努める人物を育成します。
また、たくましく生きる力、豊かな感性、知的好奇心と学びを探究する心、困難に対しても進んで挑戦する実行力など、これらの力を支える基礎学力をしっかり身につけさせる教育を目指しているのが特徴です。
暁星小学校の雰囲気
暁星小学校ではキリスト教の理念に基づいた教育を展開しています。そのため、校内にはチャペルやマリア像があります。また、始業の祈り、食前食後の祈り、終業の祈りといった学校生活の中に祈りが取り入れられ、宗教科の授業が設けられているのもほかの学校にはない特色といえるでしょう。
教育体制は学年によって変わります。1・2年生は担任が国語、算数、生活科を、3・4年生は国語、算数、社会を指導し、そのほかの教科は専門の教員が担当します。5・6年生では、学年内完全教科担任制の授業となり、各専門の教員が指導します。
授業のなかでも特筆すべきは、サッカーとフランス語教育です。暁星小学校はサッカーを校技としています。週に1度、学年サッカーの時間を設けられており、毎学期末にサッカー大会が開催されます。フランス語教育は、同校創立以来の伝統ある教育です。現在では1・2年生の各学期末に、フランス語に触れる機会が設けられています。
暁星小学校には、通常の授業に組み込まれているクラブ活動のほかに、聖歌隊、選抜サッカー部、Stella(フランス語活動)の3つの特別活動があります。聖歌隊は3年生から6年生の希望者によるもので、週3回、各1時間程度の活動をしています。選抜サッカー部は4年生から6年生まで、各学年20名ほどで構成された部で、朝練習・放課後練習・対外試合などが主な活動です。Stellaは、フランス語の習得に加え、フレンスの文化や歴史、異文化理解を深めることができる活動です。4年生から6年生までの希望する児童を対象に行われています。
給食はありません。お弁当を持参するか、2020年度より導入された、業者配達による仕出し弁当を事前に注文します。
暁星小学校の学費
学費は以下のとおりです。
入学金 | 300,000円 |
制服等の購入費 | 約120,000円 |
授業料 | 約450,000円 |
施設費 | 100,000円 |
維持費 | 192,000円 |
飲料費 | 22,000円 |
学級費 | 40,000円 |
後援会・校友会費 | 約70,000円 |
合宿費(2年生より) | 約50,000〜70,000円 |
初年度の学費の合計は1,294,000円です。なお、2年生より約5〜7万円の合宿費も必要となってきます。
暁星小学校の入試情報
暁星小学校の受験者数や受験者層、試験内容などの入試概要をご紹介します。
暁星小学校を受けるのは、例年どんな受験者なの?
暁星小学校は男子校ですので、受験対象者は男子のみです。毎年受験者数は増加傾向にあり、近年では500名超えといわれています。
暁星小学校では、高いレベルの教育が受けられること、付属の中学校・高校があるため、高校まで一貫教育が受けられること、高校卒業後は有名大学への進学率が高いことに魅力を感じられる親御さんが多いようです。そのような理由から受験者には、しっかりとした学力を身につけさせたい、高校まで一貫教育を受けさせたいと考えているご家庭が志望される傾向にあります。また、私立の男子校なので、学費を支払える経済力があるご家庭のご子息、男子に特化した教育を子どもに受けさせたいと考えているご家庭も志望されるようです。
暁星小学校の試験内容
一次試験はペーパーテスト、二次試験は実技、個別テスト、行動観察、面接が行われます。
一次試験のペーパーテスト(考査時間30分)で、スピーカーからの一斉放送にしたがって問いていくというスタイルです。出題内容には、
- 話の記憶
- 絵の記憶
- 図形
- 数量
- 常識
- 鏡図形
- 関係推理
- 言語(しりとり、言葉作り)
などがあります。きちんと話を聞く集中力、問題に次々と対応していくスピード感が求められ、非常に難易度が高いといわれています。
二次試験は、運動(考査時間30分)、個別テスト(考査時間30分)、行動観察(考査時間30分)、面接(所要時間10分)が行われます。
運動では、模倣体操、ボールを使った運動、片足けんけんなどがテストされます。個別テストは、折り紙や色塗りなど、巧緻性が問われるテストです。行動観察ではグループに分かれ、先生の指示や質問を聞いて、ゲームをしたり、ごっこ遊びをします。二次試験は特別難しいことが出題されるわけではありません。指示の理解力、運動が好きかどうか、グループでの協調性などが問われます。
暁星小学校の受験情報
ここでは、暁星小学校の受験スケジュール、募集人数、試験会場を説明します。
暁星小学校の受験スケジュール
暁星小学校の願書出願から合格発表までの受験スケジュールは次のとおりです。なお、()内の日付は2021年度(令和3年度)の入学試験の日付を明記しています。
願書出願期間(2020年10月1日〜10月2日)
一次試験(2020/11/2)
一次試験合格発表(2020/11/3)
二次試験(2020/11/4)
二次試験合格発表(2020/11/5)
暁星小学校の募集人数
募集人数は男子120名です。このうち、暁星幼稚園からの受験者約40名も含みます。近年では受験者が増加傾向にあり、500名程度の受験者がいるといわれています。よって内部進学者を除いた志願倍率は約6倍となっており、狭き門ということが伺えます。
暁星小学校の試験会場
試験会場は暁星小学校です。暁星小学校は千代田区にあります。最寄駅から学校までのアクセスは、東京メトロの九段下駅から徒歩5分。またはJR飯田橋駅から徒歩8分です。駅からはそんなに遠くないため、小さなお子さんでも無理なく歩けます。
暁星小学校へ合格するために
合格するのはどんなお子さんなのでしょうか。ここでは、受かりやすい子どもの特徴、おすすめの受験対策・必要な準備を解説していきましょう。
暁星小学校に合格する子どもの特徴
暁星小学校に合格する子どもの特徴としては、
- 人の話をきちんと聞き、理解できる子
- ルールや規律を守る子
- 体を動かすことが好きな子
が挙げられます。
暁星小学校の入試では、先生の話を聞き、理解して問題に解答しなければならない場面が多々あります。ですので、人の話をきちんと聞き、理解してすぐに行動に移せる子は合格に近づけます。また、ルールや規律を重んじる学校であるため、日常生活でルールやマナーを親がしっかりと教え、身につけておくことも重要です。そのほか、入試の項目に「運動」があることからもわかるように、体を動かすことが好きかどうかも重視されます。これは、入学後にはサッカーや合宿教育など、体を動かすイベントが多いため、体を動かすことが好きでない子は学校生活が厳しくなるためです。
暁星小学校のおすすめの受験対策や準備
暁星小学校の入試はペーパーテストが難関といわれています。問題数が多く、短時間で解答しなければならないため、集中力、理解力、処理能力、スピード感を身につけておく必要があります。これらはプリントをこなして、確実なレベルアップ、スピードアップを図る必要があるでしょう。
また、日頃から運動をして体力づくりをしておきましょう。運動テストでは、ボールを使った運動(ジグザグドリブルや遠投)があるので、ボール遊びをしておくと対策になります。
ペーパーテスト、運動テスト、行動観察のいずれにおいても指示通りできるか、ルールを守れるかも問われます。一度の指示で理解する能力や、すぐに反応できる瞬発力、日常でマナーやルールを守ることを身につけさせておくことも大切です。
しっかり対策して合格
暁星小学校は、キリスト教の理念に基づく教育で社会に貢献する人物を育成する学校です。学校自体は愛ある家庭的な雰囲気もありますが、自分自身の心身を鍛え続けなければならない、厳しい一面もあります。暁星小学校へ進学を考えている親御さんは、お子さんに進学させたい理由を明確にし、同校の教育理念をしっかり理解する必要があるでしょう。
難関校といわれていますが、臆することはありません。しっかり対策、準備をして合格を勝ち取りましょう。