カリタス小学校はカトリックの理念に基づいた教育をする、男女共学の私立小学校です。特色としては、フランス語の授業があることが挙げられます。そんなカリタス小学校の学校の特色や評判、入試の難易度などを解説していきます。
カリタス小学校の風土・特徴は?
カリタス小学校は、カナダのケベック・カリタス修道女会が教育活動の一環として設立した学校です。教育理念や授業内容、日常などをご紹介していきます。
カリタス小学校の教育理念・教育方針
学校名の「カリタス」は、ラテン語で「愛」を意味します。その名のとおり、愛を実践する学校です。子ども一人ひとりを大切に見守り、育てることに注力しています。また、多くの人との出会いにより、人を受けいれ、自分の持っている能力・才能を惜しみなく発揮できる子を育てることを目標としています。
カリタス小学校の教育目標は、「神を信じ、人と生き物をいつくしむ」「互いに磨きあい、深く考え創造していく」「良心の声に従って判断し、実行する」を掲げています。これは、子どもたちが互いに深く関わりながら、自分をみつめ成長していけるような教育です。そして、体験を中心とした「総合教育活動」、基礎学力を重視した教科指導も行われます。
カリタス小学校の雰囲気
カリタス小学校ではカトリック教育の理念に基づいた教育が行われます。毎日の学校生活は、祈りに始まり、祈りに終わります。また、聖書を通した宗教の授業や、マリア祭、クリスマスミサなどの宗教行事により、思いやりや奉仕の心を育てます。
各学年、クラス担任に加えて学年担任もおり、合計4人の専任教員が3クラスを指導していきます。国語、算数、社会を除く教科は、専任の先生が授業を担当します。また、外国語教育に力を入れているのも特徴といえるでしょう。英語はもちろんのこと、フランス語も1年生から学びます。
特筆すべきは体験型の教育が重視されていることです。たとえば低学年では、ヤギやヒツジなどの動物のお世話を毎日交代で行います。また、動物の排泄物から堆肥をつくり、花壇や畑の土作りに活用しています。このような「総合教育活動」の体験を通じて、五感を磨きながら豊かな感覚、考える力を育てていきます。
課外活動には、バスケットボール、陸上、すもう、水泳、聖歌隊があります。また、男子児童全員、課外活動としてサッカーの練習を行っています。
カリタス小学校は給食はありません。ですのでお弁当を持参します。
カリタス小学校の学費
カリタス小学校の学費は次のとおりです。
入学金 | 200,000円 |
施設拡充費 | 200,000円 |
授業料 | 432,000円(年額) |
維持費 | 120,000円(年額) |
学習費 | 72,000円(年額) |
積立金 | 70,000円(年額) |
後援会入会金 | 1,000円(年額) |
後援会費 | 30,000円(年額) |
初年度の学費の合計は112,5000円です。なお、寄付金が一口五万円、三口以上も必要となります。
カリタス小学校の入試情報
カリタス小学校の受験者数や受験者層、試験内容などの入試概要をご紹介します。
カリタス小学校を受けるのは、例年どんな受験者なの?
カリタス小学校は、男子、女子、どちらも受けることができます。しかし、合格者の男女数の内訳を見てみると、男子が圧倒的に少ないのが特徴です。これは、付属の中学校、高校が女子校だからなのかもしれません。
ここ3年の受験者数を見てみましょう。
- 2018年は、男子31名、女子309名、合計340名
- 2019年は、男子47名、女子263名、合計310名
- 2020年は、男子37名、女子258名、合計295名
となっています。例年、志願者の合計は300名前後いることがわかります。
同校に合格している子どもの傾向には、
- 人の話を最後まで聞ける子
- 理解力、集中力がある子
- 諦めずに最後までやり通す根気がある子
があります。受験前からこれらのことを身につけておくとよいでしょう。
カリタス小学校の試験内容
カリタス小学校の入試では、親子面接、ペーパーテスト、工作・運動・行動観察が行われます。
親子面接の所要時間は15分程度です。2名の面接担当者が、お子さん、保護者それぞれに質問されます。お子さんへは、幼稚園のお友達のことやお手伝い、生活常識に関することなどが聞かれる傾向にあります。保護者に対しては、志望動機、親子関係について、教育観などが質問されます。
ペーパーテストの考査時間は約30分です。出題内容は、お話の記憶、図形、足し算・引き算、仲間分け、常識・道徳、比較、迷路、推理などで、合計12問出題されます。内容が難しく、問題数も多いといわれています。
工作ではのりやハサミ、新聞紙などの用具を使って、1人で自由に制作します。運動は、両足飛びといった基本的な運動です。行動観察は、25名で1つのグループとなり、ゲームをしたり、自由に遊んだり、共同で制作を行う様子をチェックされます。それぞれの考査時間は約30分です。それぞれ長時間の考査ですので、集中力が必要となってきます。
カリタス小学校の受験情報
カリタス小学校の受験スケジュール、募集人数、試験会場をご紹介します。
カリタス小学校の受験スケジュール
カリタス小学校の受験スケジュールは次のとおりです。なお、( )内の日付は2021年度(令和3年度)の入学試験の日付を明記しています。
願書出願期間(2020/9/1〜2020/9/27)
面接(2020/10/9〜2020/10/10)
試験(2020/10/23)
合格発表(2020/10/24、合否照会サイトにて発表)
カリタス小学校の募集人数
カリタス小学校の募集人数は108名です。このうち、幼稚園からの男女内部進学者を含みますから、実質の募集人数は少なく狭き門といえます。
カリタス小学校の試験会場
試験はカリタス小学校で行われます。カリタス小学校へは、JR南武線中野島駅から徒歩10分、または、JR南武線・小田急線登戸駅から徒歩20分です。なお、登戸駅からはスクールバスが出ています。
カリタス小学校へ合格するために
カリタス小学校に合格するのはどんなお子さんなのでしょうか。ここでは、受かりやすい子どもの特徴、おすすめの受験対策・必要な準備を解説していきます。
カリタス小学校に合格する子どもの特徴
カリタス小学校に合格するには、集中力が不可欠です。というのも、カリタス小学校の入試は考査時間が長いためです。落ち着きのないお子さんにとっては受験自体が厳しいかもしれません。
また、工作や、カードを見てお話を作る課題があることから、想像力、発想力がある子が合格する傾向にあります。そのほか、行動観察のときには家庭でどのようにしつけされているのかも見られています。たとえば脱いだ靴を揃えるかどうか、などです。こういう仕草は自然と出てしまいますので、日頃からしつけをしっかりしておくことも重要です。
同校に合格している子どもの傾向をまとめると、
- 集中力がある子
- 想像力、発想力がある子
- しつけがきちんとなされている子
が挙げられます。受験前から、これらのことが身につけられているようにしておくといいでしょう。
カリタス小学校のおすすめの受験対策や準備
カリタス小学校の受験対策として、長時間の試験に対応できる集中力をつけておきましょう。集中力をつけるには、手先を使う工作をしたり、ペーパーテストの練習をするなどが効果的です。また、本を親子でいっしょに音読することも集中力アップにつながります。これらは、集中力をつけるだけでなく、忍耐力もつき、入試の対策にもなります。
また、ペーパーテストではひらがなの読み書きもふくまれます。よって、ひらがながすらすらとかけるようにしておきましょう。
お話づくりの対策としては、読み聞かせ、実際にカードを使ってのお話づくりの練習の両方をしておくとよいでしょう。何度も繰り返し練習することで、想像力や表現力、お話の構造の理解などが身につけられます。
カリタス小学校はカトリック系スクールです。ですので思いやりや感謝の心、基本的な生活習慣においてのしつけなども入試の際にチェックされます。日頃から「ありがとう」や「お願いします」などが言えたり、靴を脱いだら揃える、交通機関ではマナーを守るなど、道徳心を養っておくことも重要です。
集中力が合格を左右する
カリタス小学校は、例年女子の受験者が多いため、女子にとっては難関校となります。反して男子は比較的入りやすいといえるでしょう。しかし、入試問題は難易度が高く、考査時間も長いことで知られています。簡単には合格できない学校ですので、入試前から集中力、想像力、表現力をつけ、ペーパーや工作、お話づくりなどの対策をしておきましょう。また、カトリック系の学校ですので、しつけやマナーなどの道徳心も日頃から養っておく必要があります。