子供の社会性を育むために重要なこと。親がすべきことは?

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社会とは私たちが生きて行く上での大きな枠組みを表し、その中で決められたルールに従って、私たちは毎日生活しています。しかし近年、成人した人たちの社会性の欠如が問題視されています。そうした現状を踏まえて、この記事では子どもに社会性を身につけさせる時期や、年齢ごとに変わる社会性の特徴について解説します。

社会性っていったい何のことを指すのか

国語辞典で社会性について調べてみると、集団を作って生活しようとする人間の根本的性質と定義されています。また社会生活を営む上での資質や能力とも説明されています。

(出典:weblio辞書「社会性」社会性(しゃかいせい)とは何? Weblio辞書

私たち人間は集団で生活する生き物であるため、個人が突出した行動をとることを、何らかの方法で抑えなければなりません。そのために長い年月をかけてはぐくまれてきた、人間としての生き方のルールが社会性なのかもしれません。

そして子どもにとっての社会性とは、「聴く」「話す」「従う」など、周囲の他者と上手にコミュニケーションをとるための基本的能力と考えられます。この能力は脳そのものの機能と、知能が発達する段階で徐々に習得するものです。

本来の意味での社会性は、成人して社会に出てから身につけても遅くはないと言えます。しかし現代社会では、コミュニケーション能力が高い人は高い評価を得る傾向にあり、逆にコミュニケーション能力が低い人は、仕事に対して正当な評価を受けにくいという傾向があります。

つまり成人してからの仕事上の評価にも、社会性が大きく影響するわけです。しかも社会性が幼児期の経験と密接に関わっているとしたら、どのタイミングで子どもの社会性を伸ばし始めるべきか、非常に気になるのではないでしょうか。

社会性はいつ頃から身に付き始める?

社会性が発達するためには、自分以外の他者との関係が重要なので、一般的には幼稚園に通い始める時期、つまり4~5歳から徐々に獲得すると言われています。それまでは段階的に社会性を身につける準備期間としての位置づけです。

まず乳児期の子どもは、ほとんど自力では何もできないため、親と子と1対1の関係を保ったまま成長します。まだ自分自身をはっきりと意識することもなく、当然周囲にいる他者を認識することもありません。この状態では、社会性を発揮する機会はまだありません。

しかし乳児期の子どもにとっても、社会性を発揮する相手はすでに存在しています。それは両親という存在であり、子どもにとっては親との信頼関係を築くことこそが、将来に続く社会性の第一歩だと言えます。

そこから少し成長して1~3歳の幼児期に入ると、自分という存在を認識するようになります。それでも生活の中心は両親との関係に限定されるので、まだ社会性を発揮するには至りません。早めに保育園などで集団生活を始めても、社会生活を営むという感覚は芽生えないでしょう。

この時期は他者との関係を築くよりも、ひとり遊びをしながらさまざまな感覚を養うことが重要で、親とのやりとりの中から、社会性を獲得するための基礎を作る段階です。同年代の子どもと上手にコミュニケーションがとれなくても、心配する必要はありません。

実際に社会性が必要になるのは、その次のステップの幼稚園から小学校の低学年にかけてです。そこで初めて子どもたちは、集団で生活するためのルールや知識を身につけるようになるのです。

幼児期から児童期の社会性

幼稚園に上がる頃から小学校に進むまでのステップでは、子どもは自己を形成しながら他者との良好な関係も築かなければなりません。ひとり遊びの時期は過ぎ、仲間との集団を作って活動する時期に入ります。

その中で子どもたちは、物ごとを勝ち負けの基準で判断することが多くなり、自分の感情をコントロールすると同時に、他者と協力したりいたわったりする心を手に入れます。他にも何かにチャレンジしてやり抜く達成感や、自分で何かを作り上げる楽しみを見つけるのもこの時期です。

幼児期に入ると、初めて家庭以外の環境に対応する必要が出てきます。そこに両親はいませんが、その代わりに幼稚園の先生のような指導者が存在します。まず子どもは、この指導者との間で社会的な関係を築きます。

次に自分と同じ立場にある、周囲の子どもたちとの間で小さな社会を形成し始めます。この場合は対等な関係にあるので、自分の主張を相手に押し付けることはできません。時には相手の主張を受け入れることも必要です。

幼稚園や保育園に通う時期には、同世代との間における社会性を、主に遊びの場から手に入れます。それが小学校に進むと、より大きな組織の中で周囲とのコミュニケーションを築かなければなりません。学校という1つの社会で、教師という大人も含めて多くの人たちと、良好な人間関係を保つ必要が出てくるのです。

毎日同年代の他者と生活する中で、初めて子どもたちは社会性を意識して、徐々に社会のルールに従って行動するようになります。将来の対人関係などにも影響するこの時期は、社会性の基盤を作る上で非常に重要なポイントだと言えるでしょう。

幼児期から社会性を育むために、親として行いたいこと

子どもが社会性を身につける時期に入ったら、親としては意識的に幼児教育を実践する必要があります。その時に注意するべき点をまとめておきましょう。

・親も積極的に子どもどうしの遊びに参加して、遊びの後には子どもの話をきいてあげる。

・なるべくさまざまな人たちと出会える環境に連れて行く。

・人と仲良くして、相手の話をよく聞くように教える。

・自身が模範になって、難しい人間関係への対処法を教える。

・子どもが何かをやり遂げたら必ずほめる。

乳児期から幼児期までの一定期間、子どもにとっての社会は、ほとんどが親や兄弟姉妹という限られた人たちとの関係です。その中で親は子どもに対して、社会性を身につけるための準備をさせる必要があります。子どもの自主性は尊重しながら、やってはいけないことと、次にやるべきことを教え、社会のルールに従う基礎を作らなければなりません。

この他にも親にできることはいろいろとありますが、1つ言えることは、社会性を身につけた自分の経験を、子どもに伝えることが重要だということです。人との付き合いで子どもが悩んでいたら、一緒になって考えて解決方法を見つけてあげて、よりよい対人関係の築き方を教えてあげればよいのです。

お子さんと親身に向き合うことで、社会性は自ずと身についていくでしょう。
最後に一つ、覚えていただきたいことがあります。それは「幼児教育の有無がお子さんの将来に大きく影響する」ということ。

アメリカで行われたある研究によると、幼児教育が子供の成長に大きな利益をもたらすという結果が出ていました。
“アメリカで行われたある研究は、シカゴのスラム街に暮らす貧困家庭の6歳以下の子どもに就学前プログラムを受けさせ、その影響を調査した。 25年後に評価をしたところ、プログラムに参加していた子どもはそうでない子どもよりも総じて学業成績や収入や社会経済的なステータスが上で、健康保険の加入率も優っていた。犯罪的な行動や薬物乱用をする率も、対照グループより低かった。”
※出典:日本人が知らない「幼児教育」が年収に与える影響, 東洋経済ONLINE

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親と子との関係も社会性のひとつ

子どもにとって幼稚園や学校での生活は、楽しい反面ストレスの原因にもなります。上手にコミュニケーションをとることは難しく、時には自分の感情をコントロールしなければなりません。子どもなりに人間関係で悩むこともあるでしょう。

そんな時に子どもが帰ってくる家庭は、安心できてリラックスできる場であり、両親は誰よりも頼れる相手として、完全に信頼される対象となる必要があります。

しかし社会性を習得する子どもにとっては、親と子との関係も社会性を学ぶチャンスであることを忘れてはいけません。子どもの話をしっかりと聞き、適切なアドバイスを与えることも親としての役目です。親と子のコミュニケーションが良好なら、子どもは十分な社会性を身につけられるのではないでしょうか。

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