成城学園初等学校は、東京都世田谷区にある幼稚園から大学まで一貫教育を行う私立小学校です。成城学園初等学校の受験を考えている方の中には「受験に受かる子はどんな子だろう」「どんな試験対策をすればいいのかな」と疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、成城学園初等学校の受験を考えている方に向けて、成城学園初等学校の倍率や、合格する子どもの特徴、試験対策についてお伝えします。
成城学園初等学校の学校情報
成城学園初等学校は、それまでの画一的な教育を変えるための実験学校として、大正自由主義教育運動の中で中心的な役割を果たした澤柳政太郎氏によって、1917年に設立されました。設立されてから100年以上経った今でも当時の教育理念は受け継がれており、「学校は子どもたちのためにあるべきである」という考えのもと、子ども達の感性や個性を育んでいます。
成城学園初等学校の教育理念・教育方針
これからの世の中は個人の能力が問われるとともに、協調性や創造性も求められるでしょう。そういった背景から、成城学園初等学校では、「基礎・基本をしっかり身につけさせ、さらに人間関係を深めていける場としての学校」を目指しています。
とくに重視しているのが、創立当時から継承している「個性尊重の教育」「自然と親しむ教育」「心情の教育」「科学的研究を基とする教育」の教育に関する4つの「希望理想」と呼ばれる教育理念です。学校のあるべき姿を実現するため、設立100周年を迎えるときに全教科のカリキュラム見直し・改良と各行事の目的や活動方法の再検討を行いました。
成城学園初等学校の特徴
教育についてさまざまな研究を行っている成城学園初等学校には、多くの「はじめて」があります。たとえば、1921年には日本で「はじめて」の小学生による学校劇が行われました。この「学校劇」は現在もカリキュラムに組み入れられており、子どもたちの人間関係を深め、創造力や鑑賞力の向上に役立っています。
そのほかにも、「遊び」や「散歩」、「舞踊」など、他の小学校には見られない多彩な教科が用意されています。
また、学級担任がすべての教科の授業を受け持つのではなく、各教科の専門教師がそれぞれの授業を担当しているため、より質の高い教育が期待できるでしょう。
成城学園初等学校の雰囲気
「心と心の繋がりを大切にしたい」という思いのもと、幼稚園生から大学生まで幅広い年齢の生徒が1つのキャンパスで学校生活を過ごします。年齢を超えて交流する機会もあり、豊かな人間性を育める雰囲気があります。
また、2019年には新校舎が完成しました。東棟・中央棟・西棟の3つの棟にはそれぞれに1年生から6年生の教室があり、縦のつながりを育みやすい設計になっています。
子どもが集まりやすいように工夫された「つながる〜む」や、洞穴や隠れ家を意味する「DEN」など、子ども達が自由に過ごせたり、積極的に交流できたりするスペースが多い点も成城学園初等学校ならではの特徴です。
成城学園初等学校の学費
成城学園初等学校の2021年度の入学金は300,000円でした。さらに在学中にかかるものとして、以下の費用があげられます。
授業料(年額) | 730,000円 |
施設維持費(年額) | 250,000円 |
空調費(年額) | 10,000円 |
そのほか、父母の会費やクラス費、教材費なども必要です。費用の詳細については、合格したあとに配布される入学手続き書類でご確認ください。
成城学園初等学校の受験倍率
成城学園初等学校の2022年度〜2024年度の受験倍率は、以下のとおりです。
男子 | 女子 | 合計 | |
2022年度 | 5.7倍 | 5.1倍 | 5.4倍 |
2023年度 | 5.9倍 | 6.4倍 | 6.1倍 |
2024年度 | 5.5倍 | 5.5倍 | 5.5倍 |
下記計算式で算出
男子:志願者数193/倍率5.7≒合格者数34人
女子:志願者数178/倍率5.1≒合格者数35人
合計倍率:志願者数371/合格者数(34+35)≒倍率5.4倍
過去3年間において、おおよそ5.5倍〜6倍で推移していることから、今後もこの傾向が続くと考えられます。
成城学園初等学校に受かる子の特徴
「心と心の繋がりを大切にしたい」という思いのある成城学園初等学校には、コミュニケーションスキルが高い子どもが受かりやすいと言えるでしょう。後述する入学試験内容である「行動観察」や「親子面接」においても、先生の指示を正しく聞けるかどうかを確認されたり、両親との関係性などを聞かれたりします。
また、協調性や相手の気持ちを汲み取る力があれば、入学後もスムーズに学校生活に慣れるでしょう。
成城学園初等学校に受かる子の特徴
次に、成城学園初等学校入学試験の受験者の特徴や、受験スケジュール、募集人数などの情報をお伝えします。
成城学園初等学校の受験者の特徴
100年以上の歴史ある学校だからこそ、長年の伝統を重んじつつ、人としての基礎・基本を身につけたいと考える方が多いようです。
また、成城学園では幼稚園生から大学生までがワンキャンパスで学校生活を送っており、年齢を超えた交流も活発であることから、人と人のつながりを重視する方が受験する傾向にあります。
成城学園初等学校の受験スケジュール
成城学園初等学校の2025年度入学試験スケジュールは、以下のとおりです。
出願するには、インターネットでWeb出願受付をした後に、必要書類を郵送する必要があります。成城学園初等学校の入学受験を検討している方は、スケジュールを把握して、出願受付や書類提出の遅れがないようにしましょう。
Web出願受付期間 | 9月9日(月)10:00~10月4日(金)16:00まで |
書類郵送期間 | 10月1日(火)~10月4日(金)
※当日消印有効 |
試験日程 | 面接・考査①:男子11月7日(木)・女子11月8日(金)
考査②:男子11月9日(土)・女子11月10日(日) |
合格発表 | 11月12日(火)8:00
※Web発表 |
成城学園初等学校の募集人数
2025年度成城学園初等学校の募集人数は、男女ともに34名です。過去3年間の合格者数と大きな変更はありません。
成城学園初等学校の試験会場
2025年度成城学園初等学校入学試験の試験会場は、未定です。出願が受理された後に詳細内容を確認してください。
成城学園初等学校の試験内容
成城学園初等学校の入学試験は、2日間にわたって行われます。
子どもだけで行う試験としては、「口頭試問」と「運動試験」、「行動観察」があげられます。なお、筆記試験はありません。
口頭試問
口頭試問とは、試験官からの質問に対して口頭で回答する試験のことです。
表現力や思考力に加えて、自身の考えを論理的に伝えられるかを見られます。具体的な試験内容としては、図形問題やお話の記憶などがあげられます。
図形問題
図形問題では「パターンブロックで六角形を作る」、「折り紙を切って広げて形を選ぶ」といった問題が出題されています。ただ練習すれば解ける問題ではなく、自身で考える力や、物事を見る力が身についているかどうかを問われる問題です。
お話の記憶
絵を見たりお話を聞いたりして、その中で登場した人物・野菜などを答えるのがお話の記憶問題です。視覚や聴覚を使って記憶する力が試されます。
運動試験
運動試験では、基本的な体力や運動能力などが見られます。
具体的には、ボールを使って平均台を歩いたり、ボールを投げたりする試験が実施されます。うまくいかない場合でも、粘り強く取り組む姿勢が必要となるでしょう。
行動観察
社会性や人間性をテストするのが行動観察です。
自由遊び(積み木、ぬいぐるみ、絵本)やキャップ積み競争、ボール運び競争を通して、友達と仲良くできるか、先生の指示を正しく聞けるかなどを見られます。
成城学園初等学校の面接試験
成城学園初等学校入学試験では、親子面接も行われます。実際に出題される面接内容や面接対策をお伝えします。
面接内容
面接試験では、親子それぞれに対して質問が用意されており、子どもの性格や興味・関心、保護者の教育方針などを確認されます。
子どもへの質問例は、以下のとおりです。
面接試験における子どもへの質問例
- ・名前、生年月日
- ・お父さんとお母さんが褒めてくれるのはどんなときですか。
- ・お母さんのお料理で好きなものを教えて下さい。
- ・お父さん、お母さんの名前を教えてください。
- ・お手伝いはしていますか。
面接対策
面接対策として、質問にスムーズに答えられるように事前の準備をしておきましょう。
子どもは面接を受けた経験が少ないため、面接形式での練習が効果的です。先述した質問例を参考に実際に質問をしてみて、スムーズに答えられるまで繰り返し練習をしましょう。
面接当日は父親と母親それぞれに対して質問されます。保護者間で教育方針を共有したり、お互いの回答を確認したりして、面接当日の回答にズレが生じないようにしておくことが大切です。
成城学園初等学校の受験対策
成城学園初等学校入学試験の過去問題集を参考に学習を進めましょう。また、試験では思考力や記憶力、運動能力、社会性などといった幅広い能力やスキルを見られます。家庭学習だけではなく、外で遊ぶ機会を増やしたり、友達とコミュニケーションを十分に取ったりして、人としての成長を促すと良いでしょう。
また、受験に不安を抱えている場合には塾を活用することも有効です。試験対策として、実践的な能力を身につけられるでしょう。
基礎・基本を身につけ、良好な人間関係を構築できる環境
成城学園初等学校入学試験の受験を検討する中で浮かんだ疑問は解消されたでしょうか?「心と心の繋がりを大切にしたい」という思いのある成城学園初等学校に受かるには、深い人間関係を築くためのコミュニケーションスキルを身につけておく必要があります。友達と遊ぶ機会を作り、コミュニケーションスキルの向上を意識しましょう。