桐朋学園小学校は、桐朋学園が運営する名門私立小学校です。3つの部門から成り立っており、キャンパスは国立市にある男子部門、調布市仙川にある女子部門、同じく仙川にある音楽部門に分かれます。
桐朋学園小学校は、国立市にある男子部門に分類される「共学」の小学校です。1959年に開校し、60年以上の歴史と伝統のある小学校です。入学倍率は男女合計で約8倍と人気の小学校となっています。
この記事では、桐朋学園小学校の受験・入試情報について紹介します。試験内容や学費、学校の雰囲気、合格するための受験対策などを解説していますので、参考にしてください。
桐朋学園小学校の風土・特徴は?
桐朋学園小学校は、十分な基礎学力を身につけることを基本としています。ただし、その中でも一人ひとりの人間性の発達ができるような経験の場を用意していることが特徴です。
桐朋学園小学校は、高校まで一貫した教育制度を設けています。小学校卒業後は、男子部門、女子部門の中学校・高校へと進学が可能です。
自由でのびのびと学べる校風、豊かな自然、優れた教育プログラムが自己成長へと導く教育体制が整っています。
ここからは、教育理念や学校の雰囲気、学費などを紹介します。
1.教育理念・教育方針
桐朋学園の3部門に共通する教育理念は「一人ひとりの人格を尊重し、自主性を養い、個性を伸長するというヒューマニズムに立つ、『人間教育』」です。
この考えを基本として、桐朋学園小学校では「基礎学力を充実する」「心身を鍛える」「情操を培う」の3つの柱を教育目標に掲げています。
基礎学力は単なる学習だけではなく、想像力や構成力、観察力を養う日記の指導なども行い、自ら考えられる思考力や想像力の向上にも注力しています。
心身を鍛えるため、登山やランニング、遠泳なども実施。体力の向上だけでなく、体験を通して目標達成への強い意思を養う目的があります。
また、自然豊かな緑に囲まれた立地を生かして、野菜やにわとり・ウサギを育てることで生命の尊さなど道徳を学べる環境が整っています。
2.雰囲気
桐朋学園小学校は、生きる力・考える力を育てるため「生活科」というカリキュラムがあります。基礎学力をしっかりと向上させながら「羊の毛からの織物づくり」「土器作り野焼き」などの直接体験ができる教育も実施。子どもたちが楽しみながら学べる環境が整っています。
また、遠足や林間学校、クラブ活動などの学校行事が豊富であり、子ども達が自ら考え、実践していけるような活発な雰囲気がある小学校です。
また、同学年だけでなく別学年との交流する機会も多くあるため、自然に人間関係が学べる環境が整っています。
3.学費
桐朋学園小学校の初年度学費は次のとおりです。
入学金 | 270,000円 |
建設資金 | 130,000円 |
授業料(年額) | 494,400円 |
施設拡充費(年額) | 120,000円 |
児童諸費(年額) | 30,000円 |
PTA会費(年額) | 12,800円 |
教材費(年額) | 29,500円 |
※公式ホームページ上に最新版の記載なし、上記金額は概算となります
※詳細は学校説明会、資料請求より配布される学校案内をご参照ください
さらに学園施設整備充実のため、1口10万円から寄附金を募っています。
桐朋学園小学校の入試情報
以下では、桐朋学園小学校入学のための入試情報を紹介します。
1.例年の受験者の傾向は?
桐朋学園小学校は、開校して60年以上と歴史と伝統があります。1年生~6年生まで一貫したカリキュラムが用意されており、自ら学べる教育環境が整った小学校です。桐朋学園小学校の「教育力」に期待するご家庭が受験する傾向があります。
また、自由な校風が伝統であり、基礎学力を養うだけでなく、体験学習にも力を入れています。生きていくうえで必須となる技能や知識が身につけられることも魅力です。広い視野で物事を捉え、さまざまな人と円滑なコミュニケーションが取れる力を養いたいと考えるご家庭が集まっています。
2.試験内容
桐朋学園小学校の試験では、保護者面接やペーパーテストが実施されません。受験する本人に対してさまざまな課題を出題し、思考能力や言語、作業、行動力などを見て総合的に判断されます。
具体的には以下3つの試験項目があります。
- 絵画や工作などの問題
- 手先を使った巧緻性
- 指示行動
たとえば過去には「自由に工作をする」という試験がありました。どのような道具や手順で作業をするかなどの思考能力、完成度の高さなどから手先の器用さを判断する作業力などが見られます。
試験官より、口頭で指示されるため、指示内容を正確に把握できる「言語能力・理解力」が備わっているかをチェックされます。
さらに、集団における他者への振る舞い方、コミュニケーションの取り方などを見ながら、同校の教育方針に合っているかを判断されます。
合格するためは、普段より集団生活における他者との関わりや自然とのふれあいなど、さまざまな経験ができる環境を用意することが大切となるでしょう。
桐朋学園小学校の受験情報
以下では、桐朋学園小学校の受験スケジュール・募集人数・試験会場について紹介します。
1.受験スケジュール
以下表は、桐朋学園小学校の2023年度・募集要項です。
出願資格 | (1)2016年4月2日から2017年4月1日までに
出生した子ども (2)指定地域に住んでいること (3)60分程度の通学時間であること ※ただし、入学までに転居予定があれば出願可能 |
願書受付(インターネット出願) | 10月1日(土)0:00~10月3日(月)23:59まで |
入学試験 | 11月54日(土)(金)~11月8日(火)
上記日程のうち指定された1日 ※考査日時は受付後に連絡 |
合格発表 | 11月10日(木)午前9時
※専用サイトで発表 |
出願手続き後に、受験票および志望動機書の送付が必要なため、忘れずに提出しましょう。
2.募集人数
男女合わせて72名
3.試験会場
住所 | 〒186-0004 東京都国立市中3丁目1-10 |
アクセス | ・JR中央線 国立駅南口下車 徒歩15分
・JR南武線 谷保駅下車 徒歩15分 |
受験の際は、校内・周辺道路は駐車ができません。電車・徒歩で向かうようにしましょう。なお、小学校へ入る際はスリッパ持参が必要です。
桐朋学園小学校の合格条件とは?
ここからは、桐朋学園小学校の合格条件を解説。合格する子どもの特徴や傾向、おすすめの受験対策・必要な準備などを紹介します。
1.合格する子どもの特徴
桐朋学園小学校に合格する子どもの特徴は、普段より積極的に公園遊びをするなど、人と関わることに抵抗がなく、自ら考えて行動できることが挙げられます。試験では、作業や行動観察の中で、対話をする機会があり、他の子どもや先生との関わり方をみて、社会性・協調性の有無を判断されるからです。
日常生活において好奇心旺盛に主体的に行動できていれば、高いコミュニケーション能力が育まれます。試験1か月前に対策しようと考えたとしても、身につけることは難しいため、受験を決めたタイミングから、より多くの体験をさせることが、合格への近道でしょう。
2.おすすめの受験対策
桐朋学園小学校の試験は、ペーパーテストがないため、今までに出題されたことのある「行動観察や絵画」への対策に注力することがおすすめです。「正解がない」試験のため、過程や取り組み方が高評価に繋がります。
過去の試験では完成品よりも、制作への意欲や集中力などが評価される傾向があります。難しい出題に対して、うまくできなかったとしても、「途中で投げ出さず最後までやり遂げられるか」がポイントです。
日常生活上で子どもの好奇心を伸ばし、経験をさせることで観察力や集中力を養っていくことが大切でしょう。
また、道具の名前や扱い方、作業したあとにゴミを自分で片付けているか?など、細かいところも注意する必要があります。
桐朋学園小学校へ合格するには普段より対策が必要
桐朋学園小学校は、歴史と伝統のある名門私立小学校です。受験倍率は約8倍となっており合格は簡単ではありません。
桐朋学園小学校の入学試験は、ペーパーテストを使わない特殊な試験を実施しています。絵画や工作などの問題、手先を使った巧緻性、指示行動に基づいてさまざまな課題を出題し、言語・作業・行動のスキルを確認し、総合的に評価される仕組みです。
合格するためには、桐朋学園小学校にふさわしい生活習慣を日頃から身につけられるように努力が必要です。ポイントを押さえてしっかりと対策を行いましょう。