東京農業大学稲花小学校は、2019年に開校。23区内の私立小学校は59年ぶりに新規設立され、話題となりました。
東京農業大学稲花小学校は、東京農業大学と連携した「体験型学習」を多く取り入れているカリキュラムが人気です。開校初年度より入学倍率が12倍と、入学の難易度が高い小学校となっています。
この記事では、東京農業大学稲花小学校の受験・入試情報について紹介します。試験内容や学費、学校の雰囲気、合格するための受験対策などを解説していますので、参考にしてください。
東京農大稲花小学校の風土・特徴は?
東京農業大学稲花小学校は2019年に新設されました。新規の学校であるものの、東京農業大学と連携することによる、専門的な設備や人的資源が豊富な点が特徴です。
自然・食・地球環境など、生活する上で必要なことが学べる教育体制が整っていることもあり、高倍率で人気の小学校です。ここでは、特徴や教育理念、雰囲気などを見ていきましょう。
1.教育理念・教育方針
東京農業大学稲花小学校は、教育理念として「冒険心の育成」を掲げています。東京農業大学の創設者である「榎本武揚公」の言葉が由来です。
冒険心とは、未知なるものにひるまず、困難に立ち向かうことを指しています。東京農業大学稲花小学校では、さまざまな分野に主体的に取り組み、科学的・実践的に学べる人間を育てることを重視しています。
さらに同校では、教育上で学びを定着させることにも注力。インターネットや本などで得た知識ではなく、体験型学習を豊富に取り入れ、実際に手に触れたり育てたりする「体験の場」を多く用意しています。
東京農業大学稲花小学校は、母体である東京農業大学と提携し「自然・食・地球環境」など、生きていく上で必要なことが体験できる環境が整っている点が大きな特徴です。
2.雰囲気
東京農業大学稲花小学校は、東京の中心に近い立地にあります。都会的な印象を持つ人も多いかもしれませんが、東京農業大学稲花小学校は、日常的に豊かな自然に触れられる工夫がされており、のびやかに教育が受けられる環境です。
たとえば、給食の時間は「食育」の一環として位置づけています。稲作体験などを通して食事の大切さや食物の生産などにかかわる人々への感謝の心をもつこと、食事マナーの習得など、日常生活の体験を学びにつなげています。
また、1年生から毎日英語科のカリキュラムがあることも特徴です。外国人講師が英語のみで授業を行い、幼い頃より英語と触れ合う機会を豊富に設けています。
現代で必要なカリキュラムを取り入れつつ、楽しみながら学べる環境が整っており、体験することで学びを定着させるスタイルを確立しています。
3.学費
東京農大稲花小学校の初年度学費は次のとおりです。
入学金 | 250,000円 |
授業料 | 600,000円 |
施設設備費 | 100,000円 |
教育充実費 | 200,000円 |
給食費 | 約130,000円
(1食約650円×年間約200食) |
英語教材費 | 84,000円 |
通学メールシステム利用料 | 5,280円 |
通学鞄購入費 | 約70,000円 |
制服購入費 | 約60,000円 |
実習着購入費 | 約20,000円 |
教材購入費 | 約30,000円 |
学外活動等積立金 | 約50,000円 |
(参考)費用
※概算金額
初年度は約1,600,000円が必要となるでしょう。授業料・施設設備・教育充実費は2年目以降も同額となっています。
東京農大稲花小学校の入試情報
以下では、東京農大稲花小学校の受験者数や受験者層の傾向や試験内容について解説します。
1.どのような受験者が多い?
東京農大稲花小学校は、2019年に開校したばかりの新しい小学校です。開校当初の入試より入学希望者が殺到するなど、高い人気を誇っています。
開校して3年目の2022年度の入試においては、定員72名に対し、志願者数は962名と約13倍の競争率と人気の入学難関小学校です。
同校では、英語教育・食育・体験型の学習に注力しており、単純に学ぶだけでなく主体的に考えられるカリキュラムを整えています。
体験型学習などを取り入れることにより、学びを定着させる同校の取り組みに賛同する「教育の質を重視したい」と考えるご家庭が集まっています。
2.試験内容
東京農大稲花小学校の入試は、事前面接、ペーパーテスト、行動観察の3分野です。
事前面接では、志望動機、家庭の教育観、日常的な親子の関わりについての質疑応答が実施されます。
「子どもと保護者が教育理念や教育方針を理解しているか?」「日常生活にて保護者が学びの機会を与え、実践していく考えがあるか?」などを総合的に判断します。
東京農大稲花小学校のペーパーテストは、問題の難易度が高いことが特徴です。「記憶・推理・注意・知識・比較」の観点について「お話・絵・順序・言語・道徳・動植物・季節感・生活用品」などの要素を題材とした問題が出題されます。
出題範囲が広いため、網羅的に学習しておくことが大切です。
行動観察においては、子ども同士のコミュニケーションの様子を観察し、逸脱した行動がないか、教師の話をしっかりと聞き・考え・行動する力があるかを確認します。入学後にどのように成長していくか想定し、総合的に判断しています。
東京農大稲花小学校の受験情報
以下では、東京農大稲花小学校の受験スケジュール・募集人数・試験会場について紹介します。
1.受験スケジュール
以下表は、東京農大稲花小学校における2023年度入学の募集要項(概要版)を記載しています。(2022年秋実施)
願書受付(インターネット出願) | 10月3日(月)10:00~10月4日(火)13:00まで |
事前面接(オンライン) | 10月11日(火)〜30日(日) |
入学試験 | 11月1日(火)
11月2日(水) 11月3日(祝・木) 11月4日(金) 出願時に第1・2希望を選択
※希望日の志願者数が多数の場合は11月5日(土)の受験となる場合あり |
合格発表(Webサイトにて発表) | 11月7日(月)10:00~ |
新型コロナウイルスの感染状況等によっては、日程・内容に変更が生じる場合がありますので注意が必要です。
出願方法や試験当日に関する詳細等とあわせ、9月中旬頃に公式ホームページにて2023年度募集要項(詳細版)の案内があります。必ずご確認ください。
2.募集人数
募集人数:男子36名/女子36名
3.試験会場
住所 | 東京都世田谷区桜三丁目33番1号
(東京農業大学世田谷キャンパス、東京農業大学第一高等学校・中等部隣接) |
アクセス | ・小田急線「経堂駅」東急世田谷線「上町駅」から徒歩15分
・小田急バス・東急バス「農大前」から徒歩5分 ・小田急線「千歳船橋」「祖師ヶ谷大蔵」「成城学園前」路線バス「農大前」から徒歩5分 ・東急田園都市線「用賀」「三軒茶屋」「渋谷」路線バス「農大前」から徒歩5分 |
東京農大稲花小学校へ合格するために
ここからは、東京農大稲花小学校に合格するための情報を解説。合格する子どもの特徴や傾向、おすすめの受験対策・必要な準備などを紹介します。
1.合格する子どもの特徴
東京農業大学稲花小学校は、子どもの主体性を重視する教育を行っています。そのため、保護者だけの努力で合格はできません。
東京農業大学稲花小学校で実施されるペーパーテストは難易度が高く、さまざまな題材から出題されます。難易度が高いだけではなく平均点も高いため、子ども自身が主体的に勉強に取り組んでいなければ合格は難しいでしょう。
また、面接では志望動機、家庭の教育観、日常的な親子の関わり等について質問があります。面接官への態度や敬語の使い方などの準備も大切です。また、今後学習していく本人が、入学したら何がしたいか?を考え、自分の言葉でしっかりと伝えることも重要です。
入試当日の試験結果と家庭の雰囲気が「校風」に合うかで合否が判断されるため、主体的に行動ができる子どもが合格しやすいといえるでしょう。
2.おすすめの受験対策や準備
東京農業大学稲花小学校は受験倍率が高く、試験難易度も高いため、どの家庭も受験対策をしっかりと行っています。その中で頭一つ抜けるためには、単純に問題を覚えるのではなく、定着させるトレーニングを積むことが大切です。
まずは、基礎となる問題を何度も繰り返すことで、知識を身につけ応用できるようにしましょう。徐々に難易度を高めていき、正確かつスピーディに答えられるように訓練してください。
何度も繰り返すことで、集中力が養われるため、飽きずに数多くの問題に取り組める力が身につきやすくなります。
面接対策としては「敬語での受け答え」「聞き方・話し方の態度」ができるようトレーニングを行ってください。スムーズなやり取りが見せられれば「普段から、正しい言葉遣いや丁寧な対応ができる」と評価されやすいでしょう。
合格への鍵は日常生活上の悪いクセを治すこと
東京農業大学稲花小学校では、教育方針に合った生徒を求めているだけではなく、生徒の学習への態度や将来性なども入試で判断しています。そのため、同校に合わないと判断されてしまうと不合格へと近づいてしまいます。
合格するためには、日常生活上の悪いクセを治すことが大切です。悪いクセはマイナス要素になり得るため、できる限り正しておくとよいでしょう。
机に肘をつく、爪を噛む、足を開いて座るなどをしている場合、試験中においてもそのクセは容赦なくあらわれます。悪いクセを治し、TPOに合わせた行動ができるようになれば、合格へ大きく近づけるでしょう。
東京農業大学稲花小学校は、新しい学校であるものの、毎年の入学倍率は約12倍と、入学難関校です。同校は本人の主体性を重視するため、保護者だけが努力するのではなく、子どもと一緒に合格を目指して受験対策・準備をするとよいでしょう。