東京都渋谷区渋谷にある学校法人青山学院の初等部。芸能人の子どもたちも多く通う人気の小学校です。キリスト教信仰に基づいた教育方針で、同じ敷地のなかに幼稚園から大学、大学院までがそろっている一貫教育の学校です。今回はそんな青山学院初等部の特徴や雰囲気、教育方針などの学校の様子から、試験内容、募集人員、受験スケジュールなど入試に関する情報までをまとめました。
青山学院初等部の風土・特徴は?
青山学院は1874年にアメリカからやってきたメソジスト監督協会の宣教者によって設立された学校が基になっています。1937年に青山学院緑丘小学校として初等科教育をはじめ、2017年には創立80周年をむかえた歴史ある学校です。
青山学院初等部の教育理念・教育方針
青山学院初等部はキリスト教信仰に基づく教育を目指し、「神さまから与えられた賜物を活かし、感謝の心をもって祈り、神と人に仕える人間を育てること」を教育方針としています。
青山学院初等部では教育方針に基づき、「5つのやくそく」を入学式の際に子どもたちに説明して、学校生活の中で心がけるように指導しています。
- 「しんせつにします」
- 「しょうじきにします」
- 「れいぎただしくします」
- 「よくかんがえてします」
- 「じぶんのことはじぶんでします」
毎日行われる礼拝や宗教の授業から、愛と奉仕の精神をもって他人を思いやれる人格の育成を目的としているのが、青山学院初等部です。
青山学院初等部の雰囲気
青山学院初等部は特徴的な学習指導がたくさんあります。
まずは、「ランドセルがない」ということです。小学生はランドセルを持つという当たり前をなくし、自分で管理する能力向上のため教科書の持ち帰りを生徒たちの判断に任せています。
次に「通信簿がない」ということです。個人を大切にする青山学院では「成長記録」が渡され、子どもは毎日日記をつけます。それに保護者もコメントをつけるようになっており、日々のコミュニケーションの中から評価をし、親、生徒、教員の三者面談で指導方法を決定していきます。
さらに、毎年行われる「宿泊行事」やタブレットを使用した「ICT教育」など、伝統と歴史がありながらも最先端の革新的な教育方法を提案し続けています。
青山学院初等部の学費
青山学院初等部入学初年度に必要な学費としては、
- 入学金:300,000円
- 授業料:810,000円
- 施設費:250,000円
- 保険料: 4,000円
- 冷暖房費:12,000円
の合計1,376,000円になります。
青山学院初等部の入試情報
青山学院初等部の入試に関する情報を紹介していきます。入試の特徴はペーパー試験がないことです。合格に向け、学校が求める人材や試験内容をしっかりおさえていきましょう。
青山学院初等部を受けるのは、例年どんな受験者なの?
青山学院は同じ施設内に幼稚園から大学院まである一貫教育校です。幼稚園生のほぼ全生徒が初等部へ進学します。さらに初等部の生徒もほぼ全生徒が中等部へ進学です。
中等部からは9割を超える生徒が、高等部へ進学し、そこから青山学院大学、青山学院女子短期大学へ約8割の生徒が進学していきます。
このように大部分の生徒が大学までの進学を約束されることや、駅伝などでメディアへの露出も多く、渋谷というおしゃれな場所柄もあって、毎年多くの受験生が集まります。
青山学院初等部の試験内容
試験内容は、個別テストの「適正検査A」、集団テストと運動テストの「適正検査B」、保護者面接の3項目で行われます。
「適正検査A」は約10名程度のグループでいくつかの部屋をまわりながら、絵や物から感じたことを口頭で答える形です。所要時間は約1時間です。問題には「お話の記憶」や「絵の記憶」、「重ね図形」、「四方観察」などが出ています。どれも工夫と試行錯誤が必要な問題で、かなり難易度の高い問題形式になっています。一方向からだけだはなく、多方向から物事を見る力があるかどうかがチェックポイントです。
「適正検査B」は3,4人の先生が約25名程度のグループを率いて行います。教室では、自己紹介や絵画作成、絵本の読み聞かせなどを行います。
運動は、体育館や広いスペースで、模倣体操やリレー、クマ歩き、かえる飛びなどが行われます。制作は、用意された道具を使って、指示されたものを作ります。楽器やクリスマスツリーなどが出題されています。
校庭で行われる試験もあり、友達と鬼ごっこや縄跳びなど、体を使った遊びを行います。初めて会う先生や友達と楽しく遊べるかなどの協調性が見られるようです。
「保護者面接」は両親面接の形で、子どもは参加せずに行われます。事前に書いた面接資料に基づいて質問され、一般的な質問以外に、宗教教育についての理解が合否の判断基準のひとつとされています。
青山学院初等部の受験情報
青山学院初等部の受験に関する情報をご紹介します。受験当日までの流れや、試験会場への行き方など、事前準備をしっかりして試験に臨みましょう。
青山学院初等部の受験スケジュール
2023年度の青山学院初等部の受験スケジュールは以下のようになっています。 入学願書販売:2022年9月1日(木)~ 10月3日(月)11:30まで(日曜・祝日は除く、都民の日は開室) 時間:9:00~17:00(新型コロナウイルス感染症拡大状況により変更になる場合があります。) 場所:青山学院購買会アネックス店(青山キャンパス 別館 間島記念館裏2F) 入学出願受付(インターネット出願後に郵送出願を行うことで出願になります。) ネット出願:2022年 9月5日(月)10:00 ~ 10月3日(月)16:00 郵送出願:2022年10月1日(土)~ 10月3日(月) (消印有効) 入学試験日 入試説明会:2022年10月20日(木) ※出願者のみ 入試期間:2022年11月1日 (火)~11月7日(月) 合格発表:2022年11月9日 (水) ※日程等は変更になる場合があります。必ず願書で確認してください。 ※2021年度の募集は終了しています。
青山学院初等部の募集人数
2021年度の青山学院初等部の募集人員は男女各44名 計88名です。
青山学院幼稚園からの内部進学者 男女各20名は含みません。
倍率は
- 2018年:男子 5.6倍 女子 4.4倍
- 2019年:男子 5.3倍 女子 5.8倍
- 2020年:男子 5.8倍 女子 5.3倍
となっており、近年男女とも、5人に1人の合格者という狭き門になっています。
青山学院初等部の試験会場
青山学院初等部の試験は東京都渋谷区渋谷ある校舎で行われます。
- 住所:東京都渋谷区渋谷4-4-25
- アクセス:JR山手線ほか「渋谷駅」より徒歩12分、東京メトロ銀座線ほか「表参道駅」より徒歩12分
青山学院初等部へ合格するために
青山学院初等部に合格するためにはどうしたらよいのかを詳しく見ていきましょう。受かりやすい子どもの特徴や、保護者面接でどういうことを聞かれるのか、適正検査にはどういった対策をすればいいのかなど解説します。
青山学院初等部に合格する子どもの特徴
青山学院はキリスト教信仰に基づく教育理念です。入学者には、愛と奉仕の気持ちを持った子どもが求められています。そのため、普段から子どもに接する親の存在がとても大切になるでしょう。
また、学校での教育はキリスト教の信仰に基づいてはいますが、キリスト教を信仰しているかどうかは問題ではありません。ただし、日曜日に教会などで行われている日曜学校に参加するなど、キリスト教への理解を深めておくことは必要でしょう。
青山学院初等部のおすすめの受験対策や準備
青山学院初等部に合格するには、言語能力とコミュニケーション能力を高める必要があります。
個別テストでは「お話の記憶」は毎年出題されています。話の内容を覚えるだけではなく、頭で理解したことを、先生にどううまくまとめて伝えることができるかが重要です。「なぜそういう答えになったのか」「解決方法はなにか」など、日頃から考え、それを適切な言葉で表現する練習をしておきましょう。
集団テストはグループの行動観察となり、普段の生活での言葉遣いや振る舞いが問われます。特に、自由遊びでははじめての友達と楽しく遊べるかといった協調性を見られるため、慣れない環境での集団行動をする体験をさせておきましょう。
自己紹介や絵本の読み聞かせでは、みんなの前でしっかり大きい声で自分の名前を言えるか、友達が話している間や絵本の読み聞かせの間に、ちゃんと聞くことができるかが見られます。長時間集中できる持久力を鍛えておきましょう。
歴史と伝統のある青山学院初等部で学ぼう
青山学院初等部の学校の様子、受験についての情報を紹介してきました。キリスト教信仰に基づく大変歴史のある学校ですが、「宿泊行事」や「ICT学習」、「国際交流」など、先進的な教育行事もあり、とても魅力的な学校です。しっかり準備を行い、合格を目指しましょう!