幼児教育の種類とは?幼児教育の重要性やおすすめの実践方法を紹介

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近年の教育では、知識偏重型の学習方法を見直して、論理的思考や創造性を養うことが重要視されています。そこで改めてスポットを浴びているのが、幼児教育の重要性です。この記事では、なぜ今幼児教育が注目されているのかを含めて、幼児教育を進めるポイントについて解説します。

幼児教育とは

2020年度から順次適用が始まる「新学習指導要領」では、「生きる力」という大きなテーマが掲げられています。これからの教育で重視されるのは、思考力・判断力・表現力など、実際の社会で生きて行くために必要な力です。

(出典:文部科学省「生きる力」新学習指導要領リーフレット (mext.go.jp)

幼児教育とは生きる力のベースとなる能力を育てるため、1歳から6歳までの間に行う教育のことです。そこには乳児期の遊びから、家庭内でのしつけ、幼稚園での集団生活などが含まれます。また、幼児期の習い事やスポーツ教育なども幼児教育の1つです。

実際に教育の現場に立つと、子供たちの好奇心や創造力、論理的思考力などはそれぞれに大きな違いがあります。しかしもとをたどってみると、そうした能力は幼児期からの教育に比例していることがよく分かります。では具体的な幼児教育のメリットとは、どのようなものでしょうか?

幼児教育の重要性、メリット

他の動物たちと同様に、人間も幼児期には人として生きる基礎、つまり社会性などの重要なルールを身につけると同時に、1人の人間として生きるための能力を習得しなければなりません。この時期に幼児教育を始めることは、子供にとっていくつかの大きなメリットがあるのです。

社会生活の基礎が身につけられる

ふだん家庭で行う幼児教育でも、幼稚園などで行う幼児教育でも、大人になってから社会で生きて行くための根本的な力には、幼児期の教育が大きく影響するといわれています。他者と協調する能力やコミュニケーション能力は、まだ肉体的にも精神的にも幼い幼児期に、その原型が形成されるのです。

そのため、家庭での幼児教育が非常に重要な役割を果たします。子供は家族と一緒に生活しながら、小さな世界での社会性を身につけ、さらに少しずつ活動する環境を広げ、より大きな世界で生活するためのルールを習得します。

他者と上手にコミュニケーションをとりながら、社会でのルールを覚えることは、学校生活を経て社会的に自立するうえで極めて重要なことです。幼児教育でそのベースを築いておくことは、非常に重要なメリットになるでしょう。

好奇心と知識欲が育つ

さまざまな物ごとに興味を持つ子供は、学習面でも高い能力を発揮するといわれます。これは物ごとの本質を見極める力が備わっていて、しかもモチベーションが高いからでしょう。幼児教育で好奇心や知識欲を育てることは、子供の自主性やチャレンジ精神を高めます。

幼児期に子供の好きなことを見つけて興味を持たせると、徐々に自分から興味の対象を探して、自主的に新しいことにチャレンジするようになり、知能の発達にも大きな影響を与えます。同時に、物を知りたいという知識欲も高まるので、将来の勉強や仕事の面で大きなアドバンテージになるはずです。

総合的に知能を高めることができる

物ごとに興味を持つようになると、子供は常に新しいことを知ろうとします。その中に初歩的な勉強が含まれていれば、自然に勉強するという習慣が身につくかもしれません。楽しみながら勉強ができるようになれば、学校に入ってからの成績にも反映されます。

勉強以外にも好きなことを見つけられれば、さまざまな分野での能力を伸ばすことも可能です。自分から進んでチャレンジすることは、望まないことをやらされる場合と比べると、はるかに大きな成果をもたらします。将来のことを考えると、幼児教育で総合的な知能を高めておくことが、いかに大切なのかが分かるでしょう。

幼児教育の種類

具体的な幼児教育としては、日常生活の中でできる図工やお絵かき、ことばの勉強や語学などが挙げられます。それらとは別に、欧米を中心に開発されてきた理論的な幼児教育を実践することも可能です。ここでは、よく知られている幼児教育方法の中から4つを選び、その概要を紹介します。

モンテッソーリ教育

100年以上の歴史を持つ教育法で、子供が自律的に成長するための「自己教育力」を高めることが目的です。子供が自主的に活動を選び、納得するまで繰り返すことができるように、周囲の大人はなるべく介入せず、環境づくりを積極的にサポートします。

レッジョ・エミリア・アプローチ教育

この教育法も子供の自主性を尊重し、さまざまな体験を通して自ら学びとる力を養うことが目的です。周囲の人と話し合いながら、自分で活動の方向性を決めるのが特徴で、コミュニケーション能力と協調性を高める面で優れた教育方法です。

ピラミッドメソッド

ピラミッド型の教育手法をもとに、子供のやる気と保護者の主体性などをピラミッドの基礎にして、子供と保護者と両方の自主性を高めることが目的です。保護者は寄り添いながらも、適度な距離を置くことが重要で、子供は自己解決能力や決断力を高めることができます。

石井式教育法

日本で生まれたこの教育法は、幼児期の記憶力に着目し、適切な言語教育で子供の思考力や心を育てます。具体的には、漢字やかな文字が混じった絵本やカードを使い、理解力と表現力とを高め、同時にコミュニケーション能力の向上にも効果があります。

幼児教育で大事なこと

ここまで、いろいろな教育方法とその効果などについて紹介してきましたが、では幼児教育を実践する上で気をつけるべきポイントとは何なのでしょうか?

親子で一緒に楽しむこと

幼児教育は学校の勉強とは違うので、家庭で過ごす中でも常に実践することができます。その時に大切なのは、親子で一緒に楽しむことです。絵本を読んだり、ちょっとした運動をしたりする場合でも、大人も一緒になって楽しんであげることがポイントです。

多くの教育法でも、子供の自主性を重点項目に挙げています。やりたくないことを課題にすることは避け、子供が興味を持ったことに対して、大人も一緒に参加するという自然な流れで十分でしょう。

子供の主体性を尊重すること

やってはいけないことを教えることは重要ですが、子供がやりたいと思ったことは、なるべく見守ってあげる姿勢が重要です。そのうえで必要なサポートをしながら、子供が興味を持つ対象を増やしていければよいでしょう。やりたいことで成果を出せるようになると、チャレンジ精神も向上して活動の世界も広がるはずです。

子供の達成感を重視する

子供が何かをやり遂げた時には、一緒になって喜んでたくさんほめてあげることも重要です。ほめられると子供の達成感がより高まり、自分から次の対象を見つけるようになるでしょう。反対に失敗した時にも一緒になって理由を考え、励ましてあげることも忘れてはいけません。

幼児教育を行うにあたってのおすすめ

残念なことに日本の幼児教育は、海外と比較して意識が高いとはいえません。その理由の1つとして、日本では幼児教育を幼稚園や保育園に任せる傾向が強いことが考えられます。今後は幼児教育を、家庭でも積極的に活用する取り組みが必要でしょう。

また家庭以外でも、幼児教育を重視している幼稚園や保育園を選ぶことや、幼児向けの家庭教師などを利用することで、幼児教育を実践することは可能です。すべてを家族で負担することは難しいので、外部サービスの活用を検討するのも1つの方法です。

早めの幼児教育が子供の能力を開花させる

幼児教育は学校教育とは異なり、決められたパターンは存在しません。つまりスタートが早過ぎるということはないのです。子供が何かに興味を持つようになったら、そこがベストのタイミングかもしれません。

幼児期に好奇心や知識欲を育て、多くのことにチャレンジする意欲を高められれば、将来社会に出てからも自分の能力を十分に発揮できるでしょう。何事にも前向きな人格を形成するうえでも、幼児教育を改めて見直す必要があるのではないでしょうか。

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参考資料

「幼児教育について」文部科学省

「幼児教育の意義及び役割」文部科学省

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