雙葉小学校は、首都圏の国立・私立小学校の中でも、特にハイレベルな情操教育を実践している人気の女子校です。この記事では、最難関といわれる雙葉小学校の特徴や評判、入試情報とその難易度、合格するための受験対策などをわかりやすく解説していきます。
雙葉小学校の風土・特徴は?
1910年に設立された雙葉小学校は、幼稚園から高等学校までの一貫教育を行っているカトリックの由緒正しい女子校です。まずは、雙葉小学校の教育理念や特徴、授業内容や学園生活の雰囲気などから見ていきましょう。
雙葉小学校の教育理念・教育方針
雙葉小学校には「徳においては純真に 義務においては堅実に」という校訓があります。素直でまっすぐな心を持ち、自分でやるべきことを最後までやり抜くという意味が込められた言葉です。雙葉小学校の創立者ニコラ・バレ神父の心を継承し、カトリックの精神に基づき、感謝や謙遜、礼儀や正直さなどを大切にする「祈る心のある子ども」、連帯感や協調性、優しさや責任感などを尊ぶ「思いやりのある子ども」、忍耐力や誠実さ、自主性や向上心などを重んじる「実行力のある子ども」を育てることを教育目標にしています。
雙葉小学校の雰囲気
雙葉小学校の授業は、全学年を通じ、算数と国語を学級担任が教え、それ以外の教科を教科担当が教えるというスタイルです。英語では「外国語に親しみ、国際社会の一員としての自覚を持つこと」を目標としているため、外国人・日本人教師による指導の下、1年生から週2時間の授業が行われています。また、宗教教育の授業もあり、日々の生活や他の授業でもカトリックの思想や価値観が取り入れられていることが特徴です。さらに、情報教育の一環として、入学から6年の間にパソコンの基本操作や情報モラルを学んでいきます。学校行事には1年生から参加する学園の施設「霧降高原荘」を利用した宿泊教室や世界中にある姉妹校との異文化交流会や国際協力団体を通じた支援活動などが盛んです。給食は、週5回が基本となっています。
雙葉小学校の学費
雙葉小学校の初年度の学費は次のとおりになります。
- 入学金:270,000円
- 授業料:496,800円
- 施設維持費年額:232,800円
- 後援会費年額:72,000円
- 学園債(寄付金):1口50,000円(3口以上)
合計、約1,071,600円程度が必要です。2年目以降では、年学費が約801,600円となります。なお、上記の合計金額には、学園債(寄付金)を含んでいません。
雙葉小学校の入試情報
ここからは、雙葉小学校の受験者数や受験者層の傾向、また、試験内容の概要などをご紹介していきます。
雙葉小学校を受けるのは、例年どんな受験者なの?
雙葉小学校では、応募者数の情報公開を行っていません。そのため、あくまでも推定になるのですが、例年の倍率は10倍前後といわれています。受験者層の傾向としては、自主性や向上心の強い、独立自尊の精神を持った子どもが多いようです。また、相手に対する感謝の心や正しい礼儀作法など、雙葉小学校の教育理念を重視する家庭の子どもが多いところも受験者の特徴でしょう。
雙葉小学校の試験内容
雙葉小学校の入試は、ペーパーテスト、巧緻性テスト、行動観察、親子面接の4項目です。受験番号は「あいうえお順」になり、その順番で試験開始時間が決まります。ペーパーテストでは、記憶、数、図形、推理などから構成され、問題数そのものは、あまり多くありません。しかし、難易度が高いうえにパターン化されておらず、問題を解く時間も短いため、しっかりと自分で考え抜く力が必要です。巧緻性テストでは、紐通し、ビーズ、ブロック、クリップ留め、折り紙など、手先の器用さや丁寧さ、習慣性や最後まで諦めない姿勢が問われます。行動観察では、6人前後のグループに分かれ、3グループが1つの考査対象となり、ゲームや模写、共同制作や自由遊びなどを行います。ここで重視されるポイントは、自主性や独創性だけではなくグループを盛り上げる連帯感や協調性、優しさや気配りなどです。親子面接は、学力試験の後日、学校側からの指定日に行われます。面接官は2人、所要時間は5分~10分程度です。
雙葉小学校の受験情報
ここからは、雙葉小学校の受験スケジュール、募集人数、試験会場をご紹介します
雙葉小学校の受験スケジュール
雙葉小学校の受験スケジュールは次のとおりです。なお、下記の日付は2021年度(令和3年度)の入学試験の日付を明記しています。
- 願書配布:9月9日、10日、11日の00:09~15:00、9月12日の00:09~正午に小学校受付で配布(1部500円)
- 願書受付:郵送(10月1日~10月2日の消印のみ有効)
- 考査期間:2020年11月1日~11月3日(面接は11月2日~11月3日のいずれか指定日に本人と保護者1名)
- 合格発表:2020年11月4日
- 入学手続き:2020年11月5日
雙葉小学校の募集人数
雙葉小学校の募集人数は、例年40名(女子のみ)です。
雙葉小学校の試験会場
試験会場は、雙葉小学校になります。アクセスに関しては、JR四ツ谷駅の麴町口から徒歩3分です。また、東京メトロ・丸の内線四ツ谷駅の赤坂口から徒歩5分、同南北線四ツ谷駅の3番出口より麴町口から徒歩3分の場所にあります。
雙葉小学校へ合格するために
ここからは、雙葉小学校に合格する子どもの特徴や傾向、おすすめの受験対策・必要な準備をわかりやすく解説していきます。
雙葉小学校に合格する子どもの特徴
雙葉小学校に合格する子どもの特徴として、自主性や向上心、正義感や誠実さを持っていることなどが挙げられます。また、礼儀正しい態度をはじめ、相手やものごとに対する感謝や謙虚さ、他人を思いやる慈しみの心や優しさ、進んで皆のために役立つような行動力、協調性や社会性も必要でしょう。さらには、自分の過ちや間違いを認められる正直さや勇気、他人を許すことができる寛容性も重要な要素です。雙葉小学校が求めている知性や品性を身につけた子どもになるため、毎日の規則正しい生活習慣、親や家族の言動や躾、利発性や思考力を養う教育が合格を勝ち取る大きなポイントといえます。
雙葉小学校のおすすめの受験対策や準備
雙葉小学校のペーパーテストは、非常に難易度が高いことで有名です。所要時間30分程度の間に記憶、図形、位置、推理がメインとなった問題を解いていかなければなりません。特に記憶の問題では、かなりの長文が出題されるため、しっかりと話を聞き取る力、的確に整理する力、素早く判断・決断する力を鍛える必要があります。巧緻性テストの対策には、丁寧で効率的な作業ができるようになるため、日常から手先を使う練習と家庭のお手伝いなどを習慣化させておくとよいでしょう。行動観察の考査ポイントは、自主性や向上心といった自分らしさも大切なのですが、それ以上に集団の中で人の意見を聞く姿勢やグループの和を尊重できる協調性や連帯感です。面接では、親子のコミュニケーション、その関係性が重視される傾向にあるようです。子どもの受け答えもさることながら保護者の立ち居振る舞いも注意深くチェックされます。日頃から親子関係や家庭環境を良好に整えておくことが重要なカギとなってくるでしょう。
常日頃から品性と知性を鍛えておくことが合格の秘訣
雙葉小学校の入試は、首都圏の国立・私立小学校の中でも最難関クラスです。学力や礼儀作法、言葉遣いや所作など、付け焼刃の訓練では、とても突破できるものではありません。品性と知性、さらに雙葉小学校の生徒に相応しい人間性を常日頃から鍛えておくことが、合格の秘訣といえるでしょう。また、親子関係や家庭環境をしっかりと築き、整えておくことも大切な受験対策のひとつです。